糖尿病による眼合併症は、初期には自覚症状が無く進行することが多いため、気付いた時にはかなり重症になっていることが少なくありません。 現在、糖尿病性網膜症は失明原因の第二位です。 生活習慣、食事が欧米スタイル化するにつれ、糖尿病は、増加の一途をたどっています。近年、日本国内で糖尿病の可能性のある人は、6人に1人と言われ、決して希な疾患ではありません。 定期検査で早期に発見し治療することが、大切です。
網膜には多くの毛細血管があり、糖尿病の患者さんの血液は糖が多く、固まりやすい状態になっているため、網膜の毛細血管がつまると、血流が悪くなることから、酸素不足を生じ、血管新生、眼底出血を起こし、進行すると、失明に至る場合もあります。
糖尿病による眼合併症にはその他に、白内障、血管新生性緑内障、黄斑症、屈折・調節異常、角膜障害、虹彩・毛様体炎、外眼筋麻痺,虚血性視神経症等があります。 進行をくい止めるためにも、眼科での定期検査は大切です。
糖尿病性網膜症は、進行の段階が、大きく3つに分けられます。 単純性網膜症、増殖前網膜症、増殖性網膜症で、単純性網膜症、増殖前網膜症の段階では、自覚症状がほとんど無く、この段階で患者さん自身が目の異常に気づくことは,困難です。 増殖性網膜症になると、やっと自覚されるようになりますが、この段階は相当進んだ状態で、ほってくと失明につながり、レザー治療や、硝子体手術が必要になってきます。 眼科で早期から、定期的な検査を受けることが大切です。
増殖前網膜症+黄斑症

増殖網膜症+硝子体出血
